穴
「現金に手を出すな」の、ジャック・ベッケル監督による1960年の作品。パリの14区にあるサンテ刑務所で、1947年に実際に起きた脱獄事件を描いている。
フランス映画を久しぶりにCSで鑑賞。
監獄で同室になった男5人が、脱獄のため、塀の外の道に通じる下水にあたるまで、延々と穴を掘る物語。
まったくシンプルな話なのに、見始めて一気に引き込まれた。「12人の怒れる男」を見た時のような緊張感があった。5人の男の顔がそれぞれ非常に個性的で、一度見たら忘れられないような顔ばかり。そのうち1人は実際にこの脱獄を企てた脱獄囚だという。一番顔に特徴があった男。本物だったのだ。そりゃあ迫力あるよな。どういう経緯で映画出演が決まったのか分からないが、なんだかフランスっぽい。
白黒映画を見るのも久しぶりだったが、やはり独特の雰囲気がある。
ラストは少し余韻を残す終わり方で、これもまたカッコ良かった。