教授のおかしな殺人妄想

Amazonプライムで鑑賞。主演はホアキン・フェニックスだが、「ジョーカー」とか今までの作品とガラッと雰囲気が変わって、イメージにない教授役だったので、映画の途中まで、似ているけど違う俳優なのかと思っていた。魅力的な俳優になってきて、本当に感心してしまった。

監督はウッディ・アレンで、なんとも彼らしい映画だった。理屈っぽく、変わった３人の三角関係が軸になっているが、みんな議論好きインテリの面倒くさい人たちだ。一番おかしな人は主人公エイブだが、なんか女性が寄ってきてしまう魅力的なキャラクターに作られている。言うことがなんだか哲学っぽくて、デリケートなのだ。でもこれはまさにウッディ・アレン本人みたいな気がして、憎めないと言うか、なぜか惹かれてしまう。

後半は暗かったエイブが生き生きしてきて、かなり激走する。ラストはまたどんでん返し的な皮肉を込めて終わる。ハッピーエンドではない余韻。これぞ、ウッディ・アレンだね！と、嬉しくなった。