カイロの紫のバラ
何度も繰り返し見たくなる大好きな作品。ウッディ・アレンの作品の中でもかなり好き。美松劇場でこの映画を見たような気がする。その時までよく知らなかったウッディ・アレンを好きになった決定的な映画だった。
主演のミア・ファローが自信なさげな表情から始まって、だんだん目が輝いてきて綺麗になってくる。地味だけど、上手い女優さんだ。
完全にファンタジーの世界ではあるが、こんなことあったら素敵だろうなぁ、と思う。そりゃあ、映画ファンからすれば、大好きなスターが画面から現実の世界に飛び出してきて、自分を好きになってくれるんだもの!夢のようなストーリーで、感情移入せずにはいられない。
でもハッピーエンドで終わらせないのが、皮肉が好きなウッディ・アレンらしい。シンデレラストーリーもそれはそれでいいが、あぁ、あそこで違う選択をしていたら良かったのに、でも
人生そんなもんなのかもね、と映画館を出て、歩きながら考えたりする余韻が残るのがなんとも言えない。
粗暴な夫役のダニー・アイエロや映画スターと現実の俳優の二役を演じるジェフ・ダニエルズもはまり役で非常に良かった。