孤独の血
白石和彌監督。昭和63年の広島が舞台。昭和63年といえばら自分が社会人になって交友関係も広がり、旅行に行ったり、色々世の中を知った気になっていた頃だったが、広島ってこんなにコテコテの都市だったのだろうか?
役所広司や竹内豊の衣裳が昭和63年の設定よりもっと前の感じがして、なんだかおかしかった。
「仁義なき戦い」と比較すべきじゃないけど、迫力は全然違った。
「凶悪」、「彼女が名前を知らない小鳥たち」もだが、演出やテーマは好みではないけど、人間を描くのが上手いのか、役者選びが上手いのか、グッと見入ってしまうようなところがある。
今回はやはり役所広司の刑事役が良かった。血走った目でイカれたヤクザまがいの刑事を演じる姿を見ると、もとは役所に勤めていた、なんて想像出来ない。日本を代表する役者になっておられる。
松坂桃李が将来、役所広司みたいな役者になるんじゃないかと思っている。3年ほど前まではあんまり知らない、興味のない役者だったけど、最近はなかなかいい演技するな、と気になってきている。