人間失格 太宰治と三人の女たち
高校時代によく読んだ太宰治。かなり影響も受けた。小栗旬さんの太宰はどんなだろ?と思って見た。監督は蜷川実花さん。
いきなり自分のイメージとは違った小粋で、そんな暗くない太宰が現れたので、「こんなん違うやろ⁉︎」と、違和感を拭いされないまま中盤へ。話としたら、自分のふところに飛び込んで来た美女は拒みきれない優男の太宰が翻弄されて…という内容で、まぁそれならこの太宰像で良いのかと思って見ていた。結局嫌いなタイプではない女に来られたら、こばむことはしないのが男というものだし、ロマンチストで優しい太宰治なら、ことさら仕方ないだろう。モテるタイプなんだから。
20代の時に見ていたら、もっと女性に感情移入していただろうが、今となってはあまりに情愛のきつい女性は、うわ〜っしんど、と思ってしまう。むしろ太宰に対して、大変だなぁ、と同情に近い感情すらわいた。
今回、監督はいつもの原色の世界を昭和初期の
インテリアとか、花の色に出してきて蜷川実花ワールドは健在だった。
意外に脇役の成田凌さん、千葉雄大さんが良かった。三人の女は、妻が宮沢りえさん、愛人は沢尻エリカさんと二階堂ふみさん。みんな個性に合った役どころで悪くはなかったけど、個人的には連れ込み宿の壇蜜さんが一番妖しくて綺麗だと思った。