山のトムさん

監督 上田音 という知らなかった監督。

原作 かもめ食堂の群ようこ

音楽 大貫妙子

キャストは小林聡美、もたいまさこ、市川実日子、光石研、高橋ひとみなど。

音楽が私が大学時代によく聞いていた大貫妙子で、とても心地良かった。猫のトムさんが一応主役になるのかな？いや、やはり小林聡美かな。こんな空気の綺麗なところで、丁寧に暮らしている人たちの中で育てられて、トムはさぞかし幸せだろうなー。

かもめ食堂、めがね、プール、もそうなんだけど、群ようこ原作の作品に登場する女性って、たいがい独身で、都会か、あるいは社会で離婚なり、離職なり、何かを捨ててきたような気配を持っているのだけど、みんな自立していて、そんな過去の出来事など、どうでもよいみたいに片意地張らず、凛として、マイペースで生きている。そんなところがすごく好きだ。女同士のべたべたした友情ではなく、さらっと他人同士がうまく共同生活してたり、近所づきあいしていたり。なかなか実際こうはいかないのかも

しれないが、理想的な生活を見てるようで嬉しくなってくる。夫、妻、子供、という一般的家族でなくても、こんな家族がいてもいいんじゃないか、と思う。見ていて終始気分が良かった。もたいまさこさんが映画のなかで、よいスパイスのような存在なのはいつも感心するが、今回は市川実日子さんが、非常に良い感じの女優になってこられたなぁ、と思った。