fiorentinax's ブログ

自宅で作った料理や、見た映画の感想、旅行の思い出を記録に残そうと始めたブログ

犬猿

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新井浩文のファンの友人に教えてもらってAmazonプライムで観賞。

吉田 恵輔監督。知らない監督かと思ったが、調べてみたら、「純喫茶磯辺」の監督だと分かった。「純喫茶磯辺」はちょっと面白い映画で好みだったから親しみを持って見てみた。

 

新井浩文窪田正孝の兄弟と、ニッチェの江上敬子筧美和子の姉妹のねじれた人間関係の話。新井浩文が、こんな人いるよねー、というそのまんまの自然な演技で上手いのはいつもの通りだったが、いちばん存在感があり、印象に残ったのが江上さんだった。コンプレックスを持ちながら、妹に嫉妬心剥き出しで接する姉を怖い感じで演じておられた。表情がコロコロ変わり、感情の表現が上手い。無表情で演技する新井浩文とは真逆のタイプ。江上さんはお笑い芸人のコンビ、ニッチェのボケのほうで、彼女はコントも熱が入っていて、上手かったので「やっぱり演技力あるよね」と納得。お笑いの人って、たまに映画やドラマの脇役で主演をくってしまうようなことがあるが、やっぱり達者だ。いつも舞台で観客を目の当たりにしておられ、客の反応もすぐにわかるかからか、観客の心を掴むすべにたけている。

 

窪田正孝は、朝ドラ「エール」で爽やかな作曲家をいま演じておられるが、この映画の中ではまったく逆でかなり陰な青年。演技力のある俳優さんだ。筧美和子もイラッとするような妹役をなんだか簡単にサラッと演じていて良かった。

 

人間、普通に見えてもそれぞれなんらかの闇みたいなものを心のどこかに持ちながら生きているものなんだろうな、と思った。誰でもコンプレックスというものはあるだろう。若い人たちが主演で、きれいなロマンスみたいなものも良いけど、たまにはちょっとダメな人間が主演の映画もホッとするようなところがある。完璧な人間の方が絶対的に少ないのだろうから。