fiorentinax's ブログ

自宅で作った料理や、見た映画の感想、旅行の思い出を記録に残そうと始めたブログ

豚と軍艦

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今村昌平監督1961年作品。

戦後の横須賀が舞台。アメリカ基地の米兵の残飯を養豚の餌にして一儲けしようとするヤクザの話が主体。そのヤクザに使われる下っぱのチンピラが長門裕之、恋人が吉村実子。

養豚を扱っているにしてはなかなか豚が出て来ないなぁ、と思っていたらなるほど、最後に大群が出てきてやっぱりね、と納得。インパクトあった。

 

関西にいると横須賀という土地がよくわからないのだが、やはり戦後の横須賀といえば米軍で、彼らのおかげで栄えていた様子がとてもよく分かった。アメリア人相手にほとんどの人が金儲けしたい、みたいにガツガツしていて、街もガサガサしている感じが画面から伝わってきた。

そんな街から抜け出して、恋人と違う土地で新しい生活をしようと必死で生きる吉村実子の若い肉体美と、若い日の長門裕之が眩しかった。

今村昌平監督にしてはまだ人間のドロドロした汚なさ、みたいなところの描写は控えめだった。しかし金欲しさに実の娘を無理やり数年で本国へ帰ってしまうアメリカ人の愛人にさせようとする母親が生々しかった。菅井きんさんが演じていたが、やはり上手い。

 

長門裕之が最後に便器に顔をつけて死ぬシーン、実際人が小便た後の便器に顔をつけさせるよう要求したらしいが、却下されたらしい。そりゃそうだろう。苦笑いしてしまう今村監督らしいエピソード。