ル・アールの靴磨き
アキ・カウリスマキ、2013年作品。
今回はフランスが舞台でちょっとと面食らったのだが、やはり人間愛をサラッと、優しく描く間違いなくアキ監督の映画だった。
最近アキ監督は移民のことを扱っているが、島国に住む日本人の自分には身近な話ではない。
だから話がちょっとファンタジーのようにも思えた。
現実的に不法移民者をかくまって逃亡さすなど、もってのほかだろう。しかし主人公の老人のすごい行動力で、なんとなくうまく行ってしまう。
この老人に味方する近所の友達や、バーのマダムに飲み仲間。すごい人情話なのだが、
全然押し付けがましくなく暑苦しさがまったくない。見ている方はただ心地よいだけ。
まぁ自分がアキ監督のセンスが好きだから、というのもあるだろう。刑事のはからいが予想通りでサプライズもないのだが、そこも好きだし、主人公の老人が、病院から退院した妻と連れ立って家に着く姿もよかった。
家のインテリアも素朴でブルーでまとめられていて、好みの感じだった。とにかく見た後いい気分になれる作品で、またアキ監督が好きになった気がする。アキ監督はひとが好きなんだろうな、と本当に感じる。