fiorentinax's ブログ

自宅で作った料理や、見た映画の感想、旅行の思い出を記録に残そうと始めたブログ

今夜ロマンス劇場で

今夜、ロマンス劇場で

今年7月にタイに行った時、機内でなんの前知識もなく見たのだが、「あれ、これ監督は三谷幸樹?」と思うようなうまく作られたファンタジーだった。

あらすじはウィキペディアによると以下の通り。
映画監督を志す健司は通い詰めた映画館「ロマンス劇場」で憧れのモノクロ映画のヒロイン、美雪と出会う。健司はモノクロの姿のまま現れた美雪に色とりどりの現実の世界を案内するうちに2人は惹かれあっていく。しかし、美雪は人のぬくもりに触れると消えてしまうという秘密を抱えていた。

何の期待感もなく見た映画だったが、あぁなんだかいい感じの映画だったなー、と思える自分の好きな世界観だった。ウッディ・アレンの「カイロの紫のバラ」を連想させるようなストーリー。脚本は「信長協奏曲」の
宇山佳佑、監督は「テルマエ・ロマエ」の武内英樹。脚本がとてもよく出来ており、単純なラブストーリーなのになんだか深みがあった。配役も良かった。主役以外では北村一樹が銀幕の大スターを演じていたが、妙にはまっていて面白かった。映画のセットもよく雰囲気が出ていたしロマンチックでもあり大衆的でもあった。

主演の綾瀬はるかと坂口健太郎はいやみがなく爽やかで、なおかつきちんと役をこなしていた。綾瀬はるかは若いころはまったく注目していなかったのだが、テレビドラマの「ホタルノヒカリ」で悪くないなぁと思いだして、「マジックアワー」、「ハッピーフライト」で結構面白い女優さんだなぁと思って、最近では漫画が原作のドラマ「今日は会社休みます」、「海街ダイアリー」で演技も上手いなと思った。9月までのドラマ「義母と娘のブルース」でもノリノリで義母役を演じていた。しかしこの「今夜ロマンス劇場」では彼女の美しさが絶頂に達したというか本当に綺麗だった。古い映画から飛び出してきた女優というちょっと浮世離れした美しさ。衣装もクラッシックな感じのものばかりだったのだが彼女の雰囲気にぴったりだった。彼女は将来どんな女優さんになっていくのかなぁ、もしかしてずっと先には樹希希林みたいなになるかなぁ、と思ったりした。坂口健太郎は本格的に見たのはこの作品がはじめてだったが、可愛らしくてちょっと陸奥A子さんの漫画に出てくる男の子みたいで好感が持てた。似たような俳優が今多いけど頑張って欲しい。

坂口健太郎が老人になってからの役を加藤剛さんがとても上品に演じておられた。映画では加藤さんの最後の出演作となったらしい。役柄と加藤さんが亡くなった事実が重なって、最後のほうでは泣けてきた。「砂の器」の名演技を思い出したりしながら・・・。しかし加藤さんが出演されてることで作品が普通のラブストーリーとは違う格調高いものになったように思う。

たまに機内でこういう掘り出し物に出会ったりすると得した気分になる。だから寝てられないのだ。