オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ
ジム・ジャームッシュ監督、現代版の吸血鬼の話。
大好きな監督だったが、「ナイト・オン・ザ・プラネット」のあとくらいから、なんとなく私の期待してる彼の映画から離れていって、少し見るのをやめていた。でもこの作品はジャームッシュの趣味が全開で、音楽といい、暗い雰囲気といい、おしゃれなような、何を考えてるかよく分からない登場人物がいたり、久しぶりに見ていて嬉しくなってしまった。
現代の吸血鬼は基本的に直接人間の首に噛み付いて血を吸ったりしない。彼らは血にありつくのも大変で、病院で調達したりする。血の摂取の仕方も、「はぁ、そうきたか、なるほどね」という感じで面白かった。とはいっても、吸血鬼ものなので、やはり不気味ではある。でもコミカルな雰囲気も含みながら話が進んでいって、ちょっと笑えた。
吸血鬼の夫婦二人の独特なファッションとミステリアスな雰囲気、家のインテリアからも二人の個性がうまく表現されていて、やっぱりジャームッシュのテイストは自分の好みだ、と再認識した。
彼の新作はゾンビものコメディだが、早く見たくて仕方がない。