帰ってきたムッソリーニ
昨年イタリア語のレッスンで扱われた映画。京都シネマで見逃して、こないだツタヤで準新作になっているのを発見。
いやー、なんだか面白かった。小説「帰ってきたヒットラー」をムッソリーニにして、舞台をイタリアに移した話。ムッソリーニが現代に甦って、映像作家と出会ってそれをきっかけに、また独裁社会を作ろうと野望を持ち、メディアを使ってのし上がっていく過程を描いたブラックコメディ。
アメリカやフランス、その他移民の多い国全般に言えることだけど、移民が増えるにつけ、純粋なその国の血は薄まっていく。街はイタリア人らしからぬルックスの人々でいっぱい。
料理にしても、食も多様化していてみんながみんなスパゲッティやピザだけを毎日食べていない。男性も女性化している。それが時の流れによる当然の変化だけど、ムッソリーニには腹立たしいことであり、「一体イタリア人はどうしてしまったんだ?!」と怒る。
そういうことはあまり考えたことがなかったが、日本にしても同じことが言える。
大和魂なんてもう死語だし。
ムッソリーニは独裁者で、自分に噛み付いた犬をすぐに射殺して、「たかが犬だろ!」と飼主にはき捨てる。現代では動物愛護団体もあるし大問題だが、彼の時代ではそうじゃない。この射殺事件をマスコミへの批判も絡めて映画では上手く扱っている。
とんでもない男なんだけど、なんか笑ってしまう箇所がいくつか出てきた。主演のマッシモ・ポポリツィオの片眉毛をあげて、「統帥!」と
声援を送る国民に向ける表情が印象的だった。
なかなか面白い役者さんだった。