#カリフォルニア
公開当初に映画館で見て、かなり衝撃を受けた作品。1993年作品。R指定で、ブラピが殺人鬼を演じているが、衝撃を受けたのはそこではない。
ジュリエット・ルイスの演技の素晴らしさ!
ゆっくり喋るのが特徴で、ちょっと抜けた
ブラピの彼女役なのだが、この時の彼女は神がかっていた。改めて見て、やっぱりこの人好きだわ!と思った。他の女優と全然違う、唯一無二の女優だ。
当時付き合っていたブラピが、彼女の才能に比べて自分は全く敵わない、って言って別れたという話もあるくらい、すごい演技だった。
Xファイルのデビット・ドゥカブニーもその恋人役の女優も悪くないし、良い演技をしてる。もちろん、ブラピの殺人鬼もかなりいい線いってたが、ジュリエットには誰も敵わなかった。
二組のカップルが、夢を抱いて新天地へ
車で向かう🚗ロードムービーだが、その中の1人が殺人鬼で、旅の途中で金欲しさに殺人鬼を
犯していく。それが途中でバレて、大変な方向へ向かってしまう。
バイオレンスものとしては割と異色で目新しく、見て損はない作品だと思う。
#ファーザー
アンソニー・ホプキンス、2020年最優秀主演男優賞受賞作品。
ロンドンで暮らす老人が痴呆症を患い、老人本人と実の娘が、その変化に戸惑う様子を、
老人の頭の中の幻覚を混ぜて見せていく。
痴呆症を扱う映画の手法としては新しいやり方で興味深かった。
しかし、醜く変化していく様子は見せなかったので、
親の介護をせずに、あっけなく両親が亡くなった自分からしたら、介護ホームへ入れるまで
父親ときちんと向き合い、できる範囲で世話をした娘を少しだけ羨ましく感じたところもあった。
しかし、本当の痴呆症はこんな美しいものではないだろうし、都合よく作られたフィクションだ。当然色々な角度からの見せ方があると思うし、なるほど、と思ったが、可もなく不可もなしの作品だった。
アンソニー・ホプキンスの演技が素晴らしかったのは言うまでもないが、そんなことは今に始まったことではなく、「羊たちの沈黙」で、思い知らされた実力だから、うわー、すごい!という驚きもなかった。
彼だったら、当然これくらいの役はこなすよな、と思った。アカデミー獲られたことは、
やはりファンとしては嬉しい。
#ノマドランド
2020年、アカデミー作品賞
フランシス・マグドーマン主演で、ほとんど彼女の映画と言っても良い。
車で暮らしながら、ある期間だけ人が足りない仕事場へ移動しながら暮らす。
家畜は飼ってないから遊牧民ではないが、移動しながら暮らす人たちの話。彼らには彼らのコミュニティがあり、1箇所にたまに集まり、暮らしをより快適にする講義会のようなものが開かれたり、簡単なお祭りがあったり。
へー、なるほど、思ったり、
ただ彼らの生活と平原の風景が映ったまま、時間が経って、「なぜこの女性はこんな過酷な生活を好んでするのか?」と、思いながら見ていた。人との関わりもたまにはあるが、結局は1人が好き、孤独が好きなようで、つるむことはない。
最後の最後、亡くなった夫と暮らしていた質素な日本でいう長屋みたいな家も手放し、そこで
簡単にセリフで、なぜこれからも車での生活を選んだのかを語る。
感想としたら、「えっ!それ?、セリフで言っちゃって済ますんだ( ・∇・)、呆然」て、感じだった。まぁ無粋だ。
この作品がアカデミー賞を獲るなら、「ミナリ」のほうが良かったのじゃないか?と思った。
ドキュメンタリーにしたら面白いと思うが、ちょっとリアリティに欠けすぎだ。
#ミナリ
スティーヴン・ユァンが主演ということで、京都シネマで見てきた。アカデミー作品賞候補、5本の中に入っていた。
彼はアメリカのドラマ「ウォーキングデッド」を見て以来だから、かなり前からいいな、と思っていた。今回アカデミー主演男優賞に選ばれ、アンソニーホプキンスと肩を並べる俳優になられて、すごく嬉しく思った。
アカデミー賞の会場でも、欧米人と並んでも引けをとらない美しさだった。
映画の話だが、好きなタイプの映画だった。
韓国からの移民家族が、韓国野菜を栽培して成功を狙うのだが、妻は初めから乗り気でなく、
子供の世話に妻の母を韓国から呼んで、家族一丸となって頑張るのだが…
妻はアメリカに来たくなかったし、不自由な生活が不満。息子は心臓に疾患があり、手伝いに来た妻の母のお婆さんは脳卒中に。野菜も売り手に裏切られ、すべてが悪い方向に。挙げ句の果てにおばあさんの火の不始末で、野菜の納屋が火事になる。
もうこの先どうなるの?!という絶望感と、
なんとか最悪の事態だけはやめて!という思いを抱きながらラストへ向かう。
結局移民の話でありながら、家族のストーリーだったなぁ、という印象。
おばあさん役の女優と、息子役の子役、この二人が胸を打つような演技をしていて、目を見張った。子役は昔の小津安二郎監督の「おはよう」の次男を思いださせるような屈託のない天才的な演技で観客の目を奪ったと思う。
ハリウッドの人も、東洋の子供をかわいいなぁ、と思ったことだろう。
おばあさん役のユン・ヨジョンさんが最優秀助演女優賞を獲られたのは嬉しかったし、素晴らしいことだ。
映画館で見れて良かった。
これからはたまに映画館に行きたい。
#ジュディ虹の彼方に
ジュディ・ガーランドの伝記。
レネー・ゼルウィガーがジュディの役を熱演。
ブリジットジョーンズの日記とシカゴの元気でちょっと抜けた印象の彼女が、髪の毛もジュディの黒に染め、老けメイクで体当たりの演技。
やはりジュディといえば、子供時代が絶頂だった。借金のため、中年になって家庭生活もうまくいかないまま、子供も置いて地方に仕事に行かなければならない、そんなところから始まって、途中でうんと年下の男性と再婚。うまく行くわけないんだよ。
もう破滅がすぐそこに見えてるようで、見ていて同情に似た感情がでてくる。
声もよく出なくなって、コンサートも出来ない。旧友のミュージシャンに頼み込んで、
「一曲だけ私に歌わせて、お願い」と言うところは真に迫っていた。
ジュディはわずが47歳で亡くなった。
有名子役として生まれてこなければ、こんな大変な思いをしなくても良かったのに。
栄光と幸福は同時には得られないものなのか?
なんとなく悲しい伝記ものだった。
レネー・ゼルウィガーも現在52歳。
ブリジッドも中年女の設定だったが、それでもあの頃はぴちぴちで若かったなぁ。
#カリートの道
1993年、ブライアン・でパルマ作品。
だいぶ前に3回ほど見ていたが、昨日4月25日がアルパチーノの生誕日だと知って、もう一度見返してみた。
アルパチーノは大好きなので、出演作はたいてい見てるが、特に好きな作品。スカーフェイスより、こちらのほうが好みだ。
見返して一番驚いたのは、劇中に出てくるチャーリーのクラブ、EL PARAISOでかかってる曲がほとんどサルサで、今聴くと懐かしの名曲ばかり。なんとサルサの神的存在のエクトール・ラボーの曲までかかっているではないか!
私がサルサを習い始める前に見た映画だったので気がつかなかったのだ。
ちょい役でヴィゴ・モーテンセンは出てるし、恋人役のペネロープ・アン・ミラーは、レナードの朝のヒロイン役だとわかったし、
ラストの役のシーンでは、デパルマ的な演出は炸裂してるし、見返してみてすごく楽しめた。
アルが昔の恋人のアパートに行って、ドアのチェーンごしに半裸で踊る彼女を覗き(このシーンもでパルマならでは!)、チェーンを引きちぎって部屋に入り、彼女を抱くシーンのドキドキ感!このシーンは1回めに見た時から大好きだ。
アルパチーノのカリスマ的ロマンチックなマフィアは文句なしに素晴らしかったけど、ショーン・ペンの最低最悪な弁護士役も印象的だった。これほどカッコいい役と下衆な役を使い分けられる俳優も珍しい。ショーン・ペンはやっぱり好き。
エンドロールで流れるジョー・コッカーの「you are so beautiful」と、逃げ切れたら恋人と行くはずだった南の島の幻影、これほど素敵なラストはないかもしれない。
愛すべき作品だ。
#ハウス・ジャック・ビルト
「ラース・フォン・トリアー監督・脚本、マット・ディロン主演による2018年のサイコロジカルホラー映画である。1970年代から80年代にかけての12年間にわたって米国ワシントン州で暗躍したシリアルキラーのジャックが描かれる。」
以上、ウィキペディアより
マットディロンの長年のファンで、とツイートしたら、フォロワーさんが勧めてくれて見てみたのだが、予想を遥かに超える面白さで驚いた!
サイコものは好きでも嫌いでもないし、元アイドルのマットディロンのサイコってどうなのかな?と思って見始めた。そんな懸念をよそに、最初から演出が上手くて、ドキドキ。
画面にぐっと引き込まれた。
殺人を芸術と捉えている自称建築士の異様な頭の中。殺した人を積み上げてかれの理想の家を作ろうとする。
演出は、デビットリンチの影響を受けているのかと思うが、赤の印象がきつかった。
恋人を殺し、乳房を切り取り、その皮で財布作ったり、これは事実かどうかは定かではないが、いかにもリンチ的で笑ってしまった。
使われている曲で、自分が若い頃に大好きだったものが使われていて、気分は高揚。サイコものを見て、こんな気分になったのは初めてだった。
監督は「ダンサーインザダーク」、「ドッグウィル」、「奇跡の海」を撮っている人だ。
変わった映画ばかりで、面白いんだけど私にはピンと来なかった作品ばかりだったが、今回のこの作品は大好きだ。
マットディロンの俳優としての地位が確固たるものになったと思うし、嬉しい。