#ファーザー
アンソニー・ホプキンス、2020年最優秀主演男優賞受賞作品。
ロンドンで暮らす老人が痴呆症を患い、老人本人と実の娘が、その変化に戸惑う様子を、
老人の頭の中の幻覚を混ぜて見せていく。
痴呆症を扱う映画の手法としては新しいやり方で興味深かった。
しかし、醜く変化していく様子は見せなかったので、
親の介護をせずに、あっけなく両親が亡くなった自分からしたら、介護ホームへ入れるまで
父親ときちんと向き合い、できる範囲で世話をした娘を少しだけ羨ましく感じたところもあった。
しかし、本当の痴呆症はこんな美しいものではないだろうし、都合よく作られたフィクションだ。当然色々な角度からの見せ方があると思うし、なるほど、と思ったが、可もなく不可もなしの作品だった。
アンソニー・ホプキンスの演技が素晴らしかったのは言うまでもないが、そんなことは今に始まったことではなく、「羊たちの沈黙」で、思い知らされた実力だから、うわー、すごい!という驚きもなかった。
彼だったら、当然これくらいの役はこなすよな、と思った。アカデミー獲られたことは、
やはりファンとしては嬉しい。