fiorentinax's ブログ

自宅で作った料理や、見た映画の感想、旅行の思い出を記録に残そうと始めたブログ

リバース(テレビドラマ)

リバース Blu-ray BOX

湊かなえ推理小説のドラマ化。CSのTBSチャンネルの一気見でやっていたのでふっと見始めたら面白くて。何の前知識もなく見たのがよかったのか、
久しぶりに先はどうなるのか??と前のめりに見たドラマだった。主演は藤原竜也だが、友人役の四人もそれぞれに合った役柄をこなしており、特に小池徹平演じる広沢の役柄が好きだった。軽いようでいて小池くんはわりといい表情をする。映画「ホームレス中学生」の時の主演も嫌味なくさらっと演じていたし。

ストーリーはこちらの推理をどんどん覆す展開、犯人が誰なのか、事件の真相、最後まで分からず、少々強引とも思える結末も納得出来る作りになっていた。楽しいはずの大学のゼミ仲間との旅行が一変した事故。完全なフィクションではあるが小説が基盤にあるからか良く出来たドラマだった。最近のテレビドラマはシニカルに見てしまうのだが、わざとらしさもあざとさも感じることなく見れた。

ファーゴ (テレビドラマ)

FARGO/ファーゴ(SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

コーエン兄弟脚本の映画「ファーゴ」に着想を得て作られた作品。ノア・ホーリーという監督だが知らなかった監督だ。映画もよく出来ていて、さすがのコーエン兄弟と思っていたのだが、テレビドラマのほうはシリーズ3まであり、ストーリーもちょっと変えてあり、登場人物もさらに掘り下げられていて非常に面白かった。


雪深い田舎の街で思うようにことが進まないイライラ感もよくでていた?主演のマーティン・フリーマン、警察官のアリソン・トルマン、殺し屋のビリー・ボブ・ソートン、この三人の役者の演技が素晴らしい。
回を重ねるごとにそれぞれのキャラクターが色濃く出てきて、主演の男の顔つきがおどおどしたものからどんどん自信満々の卑劣な男の顔に変わっていく過程が面白かった。うそにうそを重ねて、どうにもならなくなった男と良心のかたまりのような女性警察官の対比と、そこにからんでくる冷酷のかたまりのような殺し屋との
戦い、見ごたえがあった。主演のマーティンは「ホビット」シリーズの主演ミスター・バギンス。まったく逆の役で、知人に指摘されるまで同一人物とまったく気がつかなかったが、イギリスにはこんな演技達者な役者がいたなんて知らなかった。層が深い。ミスター・ビーンもそうなんだけど、ユーモアの表現が抑え気味で上品で好感が持てる。好きな役者の一人になった。

家の近くのネパール料理のチーズナン

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高木町にあるネパール料理のお店に通いだして2年ほどになる。ここのチーズナンは甘みがあって、チーズたっぷりで最高に美味しい。

ゴールデンウィークに行ったとき、現地のビールを頼んでみた。ちょっとフルーツの香りがするキングフィッシャーというビール。美味しかった。店長も愛想の良い人で

いつも気持ちがいい接客をしてくださる。

 

万引き家族

万引き家族

是枝裕和監督。すごく好きな監督というほどではなかったけど、なぜか彼の作品はほとんど見ている。「誰も知らない」に似たところがすごくあったし、
ある意味「誰も知らない」の完成形だなと思った。血がつながった家族がすばらしいのか?定職のあるきちんとした親がどれだけすばらしいのか?
幸せっていろんなところにあるんだよなぁ。とかそんなことを考えた。実を言うと、リリー・フランキー樹木希林も今までそれほどいいなと思ったことがなかった。しかし、この低所得者の訳ありの父とおばあさんという役を「絶対いるよな、こういう人!」という感じありありですごく上手く演じておられた。リリーさんのちょっとはすっぱな早口なしゃべりかた、走り方、リアルだった。樹木さんの物を食べるシーン、
なんかこのおばあちゃんの人生が想像出来るような食べ方。なんか最後にすごい演技見せてくれたなぁ、流石だ。
安藤サクラは言うまでもなく上手く、役柄も彼女にぴったりの母親役であった。NHK連続テレビ小説まんぷく」での彼女の演技も素晴らしかったが、
ちょっとすれた女の役が彼女にはすごく合うし、今の日本ではそういう役をやらしたら彼女の右に出る女優は同年代では見当たらない。

長女の立ち位置だけがこの家族の中で少し違うのだが、現代っぽい女の子のようでいて何か心に傷を負っているような、この子が家族の中にいることで映画のアクセントになってるような気がした。

リリー・フランキーの男の子に対する愛情の表現も変に飾ったりすることなく、正直で好感が持てた。実の親でなくても一緒に長年暮らしていたらもう
それは本当の親子と一緒だろうし、却っていつ離れ離れになるか分からない緊張感があるぶん愛情が濃くなるのではないか、とすら思った。
あとこの映画の中で上手いなというか、好きだったのはリリーと安藤サクラのベッドシーンだ。ベッドシーンといってもその前後しか出てこないが、
リュック・ベッソンの「二キータ」で主演の男女二人がはじめて結ばれるシーンを彷彿とさせるシーンだった。変なムード作りとかはまったくないのだが
二人の雰囲気がとても色っぽく、リリーが「俺、できたよな?」と誇らしげに言いながらタバコをふかすシーンがユーモアがあって思わず笑ってしまった。ラストのシーンさらっとしていて、子供を引き合いにだす私の苦手なお涙頂戴はまったくなく鑑賞後も「あぁ面白かったなぁ」という感想でいっぱいだった。こんな監督が自分と同年代で日本にいることが嬉しい。

戦場のメリークリスマス

戦場のメリークリスマス
ponymanさんが感想を載せておられるのを見て再度見たくなり、アマゾンプライムで。改めて見てみてもやはり好きな映画の一本に入るなぁと思った。
大学生の時初めてデビット・ボウイを知って、何か宇宙人のようなこの世の者ではないような魅力を感じた。王子様というより悪魔っぽい感じで。
映画の中でも誰よりも凛とした規律正しいエリートなヨノイ大尉がデビッド・ボウイ演じるジャックに心を奪われ、どんどん混乱していくのも納得の配役。
ジャックが赤い花を食べるシーンが頭に残っている。
本当は粗暴なタイプではないのに、ジャワ島での軍の中での立場上そういう役割をしなければならなかったハラ軍曹を演じたビートたけしも非常に印象的だった。ラストの笑顔、素敵だった。個性的なキャラクターを中和するのがローレンス役のトム・コンティ。彼も心優しい常識的なイギリス人軍人という感じで良かった。ハラ軍曹とローレンスの友情も押し付けがましくなくさらっと描かれているが、それが却って胸を打った。
大島渚監督の配役のセンスの良さと、坂本龍一の作曲した戦場のメリー・クリスマスがこの映画の一番の成功の理由だと思うが、なんとも素敵な映画だ。

晩春 デジタル修復版

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1949年度の「キネマ旬報ベスト・テン」の日本映画部門で1位に輝いている。というだけあって、小津監督作品の中でも力作だと思う。20代の頃に一度見たきりでほぼ忘れていたのだが、なんと美しくも悲しい話。忘れていたというより、当時から親不孝な私にはピンとこない話だったのかもしれない。改めて娘時代の父に対する自分の態度が悔やまれる。

 

早くに妻を亡くした大学教授周吉が笠智衆

その父の世話をやいて婚期を逃している娘紀子に原節子。自分が心配で結婚を決めかねている娘に、後妻をもらうとウソをついて嫁にいかす父親。「私はお父さんと一緒にいるのが幸せなんです」という紀子。こんな父娘の関係もあるんだなぁ。今なら親の気持ちも、娘の気持ちも理解できる。紀子が嫁いだ後、一人ぼっちの家で涙する周吉がなんともやるせない。

紀子の親友役の月丘夢路が、とても気の強いしっかりした女性で、紀子にどんどんきつい言葉を浴びせて嫁にいかそうとするのだが、私には幸か不幸か、こんな親友はいない。

 

原節子が今まで見た映画の中で1番美しく思えた。キラキラ輝いている、とはまさにこの時の彼女をあらわすフレーズだ。