希望の灯り
旧東ドイツの巨大マーケットで働く人々の話。
アキ・カウリスマキ監督の映画みたいに、淡々とした演出の中にホッとするような暖かさもあり、好みの映画だった。
主演の役者は、ホアキン・フェニックスに似た雰囲気のある俳優で、なにか過去を背負ってるような暗い影があって惹きつけられるものがあった。
スーパーの在庫室の柱や、主人公が扱うフォークリフト、スーパー制服がブルーなところも
アキ監督の映画を彷彿させる。
登場人物の関係がしつこくなく、ある程度の距離感を保ちながらもお互いへ思いやりもあり、心地いい感じで話は進んでいく。悲しい出来事がラストに近いあたりであるが、希望を波の音でたとえているような演出があって、嫌な感じで終わるどころか、爽やかというか、暖かい気持ちになって見終わった。
上司が主人公の男を仕事帰りに自宅に招いて
2人で酒を飲むシーンがある。暗い部屋の中で、外を走るトラックか車のヘッドライトが時折入ってくるシーンが非常に綺麗で印象に残った。うまく出来た映画だと思う。