アンダーグラウンド
第二次世界大戦からのユーゴスラビアの内戦の話なのだが、なんと内容が濃いことか!
20代の時に劇場で見て衝撃を受け、自分の中ではベスト20に入る作品として位置付けていたが、長い間見ていなかったので、今見たらどういう感想になるか?と思っていたのだが、やっぱりショックと感動があった。
地下のシーンと地上のシーンの対比が良くて、
クロが初めて地上に出る息子と海で過ごす風景が美しかった。
マルコとナタリアの関係や、そこにクロが入っての三角関係にも引き込まれた。マルコの弟も物語のキーポイントになっていて、ドラマがある。
名シーンの数々と、ストーリーの深さ、役者の魅力、エミール・クストリッツァ監督の手腕というか、演出が光る秀作で、カンヌのグランプリ獲ったのは当然の結果。
自分が好きなフェリーニを彷彿させるところが何箇所かあり、きっと監督はフェリーニを尊敬してるのだろうと、勝手に思った。
ラストシーンは多分天国のイメージだろうが、
本当に素晴らしく、映画史に残る美しいラストシーンとなるだろう。「81/2」と「アマルコルド」をのラストに似ている。
内戦が引き起こした、どうしようもない悲劇なのに、見た後は胸が締め付けられるような感動でいっぱいになる、この感動は上記の二作を見た後の気分と一緒だ。