長いお別れ
中野量太監督作品。『湯を沸かすほどの熱い愛』の監督らしいが、若い監督でよく知らなかった。Amazonプライムでなんの予備知識もないまま鑑賞したのだが、なかなか感慨深い作品だった。
もと国語教師の厳格な父が認知症にかかり、その家族も父の面倒を見て行くうちに自分を改めて振り返り、変化して行く、というありがちな話だが、役者がそれぞれおさえた演技で、失敗も繰り返しながら人生を歩んでいくので親近感があった。
「野良犬」であんな狂気をはらんだ青年役をしていた山崎努が、こんな穏やかな感じに老いられたのか、と時の流れを感じた。(実際の性格は知らないが)台詞もあまりないかのだが、山崎努の演技で映画を引っ張って行ってるような存在感、流石だった。松原智恵子は、夫を健気にずっと支えて愛し抜く主婦を好演。若い頃より今の方がずっと良い。
蒼井優が次女を演じていたが、安定の演技で安心してみていられた。この先も大物女優になりそうな人だと思う。
竹内結子さんも海外赴任で色々悩み多き主婦をいい感じで演じておられ、亡くなられたことが悔やまれる。