fiorentinax's ブログ

自宅で作った料理や、見た映画の感想、旅行の思い出を記録に残そうと始めたブログ

アマルコルド

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フェデリコ・フェリーニ映画祭で、本当に久しぶりに京都シネマで鑑賞。

オリジナルの劇場用のポスターを20年ほど前にイタリアの骨董市で手に入れることが出来て、すごく思い入れのある作品。

 

以前に見た時、叙情詩みたいな映画だなぁ、と思った。映画の中で、色がすごく意識されていて、雪が降っていて、一面真っ白な広場にマガリ・ノエルが登場してきて、彼女の着ていた赤いコートが映えて、街がすごく綺麗に見えた。

 

何年経っても大好きな映画の中の自分が好きなシーンというのは同じで、やっぱり冒頭のこのシーンが心に残った。

 

自分もイタリアの小さな街に住んだことがあるので、街中がみんな知り合いで、街の催しには広場にみんなが集まってくる、みたいな雰囲気がなんとなくわかるので、余計に親しみを持って見れて楽しかった。

 

フェリーニが自分の故郷のリミニを描いているのだが、いかに故郷や家族を愛しているかが強くではなくて、画面から染み出してくるような映画で、イタリア人の家族の絆がなんだか羨ましくなるような感じがした。

人情的なところも多くありながら、春夏秋冬の四季の移り変わりの美しさもしっかりとみせてくれて、画面はずっと絵のような感じで、うっとりする。

そして決定的に良いのがニーノ・ロータの音楽。完全に彼の音楽に心を持っていかれる。ニーノ・ロータもやっぱり天才だ。

映像と音楽の二重奏みたいな美しさが頭と耳にに残って映画館を出てもずっと余韻に浸れる。酔うみたいな感覚かもしれない。こんな映画って、まぁあんまりない。

フェリーニは、本当に自分にとって特別な監督だ。

 

最近見返してみた「アンダーグラウンド」のラストが、「アマルコルド」と「8  1/2」のラストをたして2で割ったような感じで、エミール・クストリッツァ監督はやはり影響受けたんだろうと、勝手に思っている。フェリーニへのオマージュのような気がしてならない。