聖おにいさん １巻から１6巻

何年も前から気になっていた漫画。ponymanさんに貸していたただいてゆっくり読めた。
時代の流れに敏感な若い作者らしく、そのときの流行ものや話題になっているものを上手く題材に取り入れていて「あぁ、なるほどね」と思う話も多く、毎回楽しめた。神や悪魔の世界からも色々な登場人物がいて、知らないものは調べたりする楽しみもあったし、自分のよく知っている七福神の夷さんがでて来たときは何か嬉しかった。最初はイエスが面白いと思っていたのだが読んでいくうちに仏陀も天然なところがあり、一人が突っ走るともう一人がたしなめる側になったり、その二人のバランスが楽しい。

東京の立川の昔ながらの大家さんがいるアパートに限られたお金の中で二人で生活する（下界でバカンスする）という設定が一番ワクワク感があって、この漫画が楽しい所以だと思う。二人が魔法でも使えて、お金も使い放題だったら、ちっともこの漫画は面白くない。限られたお金の中で１００円ショップやイケヤで予算にあったものを二人で探す。安いデニムを見つけて大喜びしたり・・・。
たいていはイエスが衝動買いするけど、仏陀が怒ってやめさせたり、たまにイエスの言い分に納得して買ったり。なんだかそういう生活のほうが、セレブ生活なんかよりずっと贅沢で、とても素敵な日々を過ごしてるような気がする。そんなことに気づかせてくれるような案外奥が深い漫画で、少女時代には読んだことなかったタイプのもので新鮮だったなぁ。