fiorentinax's ブログ

自宅で作った料理や、見た映画の感想、旅行の思い出を記録に残そうと始めたブログ

ひとり狼

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市川雷蔵の遺作。
ヒルで無口な雷蔵長門勇演じる孫八というちょっとベタな渡世人が、雷蔵演じるストイックな渡世人伊三蔵の話を憧憬を込めて語る、という単純なストーリー。

やはりハイライトシーンはラストの立ち回りなんだろうな。雪の中での雷蔵の立ち回り、カッコいい。セリフもベタだが雷蔵が言うから全然ベタに感じない。自分の欲目かもしれないが。。雷蔵、ニヒルな役どころではあるが眠狂四郎より情を見せるし、変なエロチックなラブシーンもなく、さわやかなニヒルさとでもいうのか、しかし筋の通った渡世人で好きなキャラクターだった。渡世人の流儀をそれとなく映画の中でみせており、「へー、そんなものなのか」と妙に面白かった。


小川真由美がヒロインとして出演している。今回はいい家柄の武士の娘という役だった。いろんな役やってるな、この人。
彼女をドラマ以外のスクリーンで見たのは「八つ墓村」だったか?「鬼畜」か、「復讐するは我にあり」か、「田園に死す」か?どれにしても、なんか怖いイメージの女優だったが、ちょっと色気のある情の深い女の役なんかやったら右に出る者がいないんじゃないかな?とさえ感じる貴重な女優だなと思う。最近「陸軍中野学校」を見たときに雷蔵の婚約者として出てきたのだけれど、雷蔵にベタ惚れで、ちょっとネチっこい婚約者を情感たっぷりに演じていて、「あー、だいぶ若い頃からこういう役どころやってたんだな」と妙に納得した。好き嫌いは別として、透明感がどうとか可愛いとか、そんなことばかりで売れてる近年の若手女優にはいないな、こういうタイプ。