fiorentinax's ブログ

自宅で作った料理や、見た映画の感想、旅行の思い出を記録に残そうと始めたブログ

愛のむきだし

園子温監督。2009年作品。Amazonプライムで鑑賞。Twitterでかなり評判が良かったので見てみた。 この監督は「冷たい熱帯魚」しか見ていないが、なんか新感覚の監督というか、三池崇史監督の映画を暗くしたような印象。結果から言うと、力のあるものすごい映…

長いお別れ

中野量太監督作品。『湯を沸かすほどの熱い愛』の監督らしいが、若い監督でよく知らなかった。Amazonプライムでなんの予備知識もないまま鑑賞したのだが、なかなか感慨深い作品だった。 もと国語教師の厳格な父が認知症にかかり、その家族も父の面倒を見て行…

幕末太陽傳

今更ながらにこんな大作をAmazonプライムで初めて見た。 なんと豪華な作品!豪華なキャスト。適材適所な配役。 古典落語の居残り佐平氏の話をたまたま知っていたので、途中まで見て、「もしかして、落語が元になってる?」と思い、どんどん画面に引き込まれ…

晩春

1949年公開。20年以上前に一度見たきりで、今回じっくり見直そうと再見。 妻を早く亡くして、適齢期の娘と二人暮らしの笠智衆演じる父が、自分は再婚すると嘘をついて娘を嫁がせる、という話。 結婚するのが嫌だ、と泣いている娘の紀子。 あれ?こんな悲しい…

無邪気な妖精たち

イタリア映画祭2020年のオンライン配信で鑑賞。 事故で急死した夫に愛人がいたことがわかり、探しに行った妻が見つけた愛人は男だった。 アパートに同居するLGBTの人々。彼らは一つの家族のように助け合って楽しく暮らしており、ヒロインの女性も知らないう…

アルケミスト

本が好きな友人の薦めで読んでみた。 かなり人気らしく、夏の終わりに予約してやっと手元に届いた。 ある羊飼いの少年が宝探しの旅をする途中で、さまざまな分岐点に立ち、予兆や予言、啓示をくれる人と出会い、自分の夢に向かって進んでいく、というような…

#アメリカの影

ジョン・カサヴェテス監督。「こわれゆく女」と「グロリア」がめちゃくちゃカッコよく、彼の他の作品も見たいとずっと思っていた。 期待通りのクールな映像と、人種差別を少し変わった角度から捉えていてすごい映画だな、とは思ったのだけど最後までどっぷり…

宗方姉妹

小津安二郎監督、1961年作品。 「東京暮色」よりは救いはあるけれど、意外に暗い話だった。 田中絹代と高峰秀子の姉妹。笠智衆が父親。 田中絹代が失業中の夫の山村聰をバーで働きながら養っているのだが、昔の男のことでグチグチ言われたり、挙げ句の果てに…

ル・アールの靴磨き

アキ・カウリスマキ、2013年作品。 今回はフランスが舞台でちょっとと面食らったのだが、やはり人間愛をサラッと、優しく描く間違いなくアキ監督の映画だった。 最近アキ監督は移民のことを扱っているが、島国に住む日本人の自分には身近な話ではない。 だか…

処女の泉

イングマール・ベルイマン監督。 大切に育てた一人娘を羊飼いの兄弟に強姦された挙句殺された父。その羊飼いが一晩暖を宿を求めてやってきたのは、偶然にも娘の両親の家だった。 何も知らない羊飼いは、娘から剥ぎ取った娘の服を母親に売りつけようとする。…

秋刀魚の味

20年ぶりくらいに再見。改めて見ると、すごい豪華キャスト! 笠智衆の娘に岩下志麻、その兄が佐田啓二、嫁が岡田真理子、学校時代の恩師が東野英二郎で、その娘が杉村春子。他に中村伸朗、三宅邦子、岸田今日子、加東大介、須賀不二雄など。二シーンほどしか…

アマルコルド

フェデリコ・フェリーニ映画祭で、本当に久しぶりに京都シネマで鑑賞。 オリジナルの劇場用のポスターを20年ほど前にイタリアの骨董市で手に入れることが出来て、すごく思い入れのある作品。 以前に見た時、叙情詩みたいな映画だなぁ、と思った。映画の中で…

アンダーグラウンド

第二次世界大戦からのユーゴスラビアの内戦の話なのだが、なんと内容が濃いことか! 20代の時に劇場で見て衝撃を受け、自分の中ではベスト20に入る作品として位置付けていたが、長い間見ていなかったので、今見たらどういう感想になるか?と思っていたのだが…

運び屋

クリント・イーストウッド監督、主演。2018年製作。 現在90歳のクリント・イーストウッド。「グラン・トリノ」の時も思ったけど、彼の新作は絶対見たい。いいスタッフがついてるのだろうが、どれだけ歳を重ねてもきちんとした質の高い映画を撮り続ける姿勢に…

きみの鳥は歌える

柄本祐が出演していたので、Amazonプライム・ビデオで気楽に見てみた。出だしは、いわゆるフリーターの自由気ままなゆるい生活で同居している男性2人の様子が映し出された。 そこへ1人の女性が入り、三角関係になっていくのだが…話的にはよくある話で新鮮味…

「現金に手を出すな」の、ジャック・ベッケル監督による1960年の作品。パリの14区にあるサンテ刑務所で、1947年に実際に起きた脱獄事件を描いている。 フランス映画を久しぶりにCSで鑑賞。 監獄で同室になった男5人が、脱獄のため、塀の外の道に通じる下水…

ストリート・オブ・ファイヤー

大学同時に公開されて映画館に見に行った。今も見ると、自分の青春時代のことを思い出す作品で、特別な思いがある。 当時サントラ版をすぐに買いに走って、何度も聞いていたが、やっぱり今見ても映画が面白いのとは別に優れた音楽作品のような気がする。 す…

教授のおかしな殺人妄想

Amazonプライムで鑑賞。主演はホアキン・フェニックスだが、「ジョーカー」とか今までの作品とガラッと雰囲気が変わって、イメージにない教授役だったので、映画の途中まで、似ているけど違う俳優なのかと思っていた。魅力的な俳優になってきて、本当に感心…

孤独の血

白石和彌監督。昭和63年の広島が舞台。昭和63年といえばら自分が社会人になって交友関係も広がり、旅行に行ったり、色々世の中を知った気になっていた頃だったが、広島ってこんなにコテコテの都市だったのだろうか? 役所広司や竹内豊の衣裳が昭和63年の設定…

オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ

ジム・ジャームッシュ監督、現代版の吸血鬼の話。 大好きな監督だったが、「ナイト・オン・ザ・プラネット」のあとくらいから、なんとなく私の期待してる彼の映画から離れていって、少し見るのをやめていた。でもこの作品はジャームッシュの趣味が全開で、音…

帰ってきたムッソリーニ

昨年イタリア語のレッスンで扱われた映画。京都シネマで見逃して、こないだツタヤで準新作になっているのを発見。 いやー、なんだか面白かった。小説「帰ってきたヒットラー」をムッソリーニにして、舞台をイタリアに移した話。ムッソリーニが現代に甦って、…

グリーンブック

第91回アカデミー賞作品賞を獲得しているとは知らず、マハーシャラ・アリが好きなのでDVDで鑑賞。マハーシャラ・アリは助演男優賞、ヴィゴ・モーテンセン主演男優賞を獲っている。 1962年のアメリカが舞台。黒人天才ピアニストドン・シャーリーがアメリカ南…

パラサイト

半地下の家の話って、どんなのだろう?と興味津々にDVDを借りてきた。韓国映画を見たのも久しぶりだ。 ストーリー、映像、金持ちの家のインテリア、登場人物、会話、すべてに引き込まれた。私の好きな伏線も非常に効いていた。ブラックなところもあり、ユー…

JOKER

特に前知識もないまま、ホアキン・フェニックスが主演でいろいろと話題だったのでDVDを借りてきて見てみた。 アメリカのコミック「バットマン」のジョーカーが誕生するまでの経緯が描かれている。 私の中で、ホアキンといえば「誘う女」の高校生役の彼だが、…

グッバイ ゴダール

なんともおしゃれなコメディ。ゴダールの二番目の妻の手記「それからの彼女」をもとに作られた映画。ゴダールが「中国女」の主演の彼女と出会って、離婚する間に政治活動に傾いていって、内面も変わっていく様子が描かれている。 世界のゴダール、とてつもな…

カイロの紫のバラ

何度も繰り返し見たくなる大好きな作品。ウッディ・アレンの作品の中でもかなり好き。美松劇場でこの映画を見たような気がする。その時までよく知らなかったウッディ・アレンを好きになった決定的な映画だった。 主演のミア・ファローが自信なさげな表情から…

女と男の観覧車

ウッディ・アレン監督の映画にしては、クスッと笑える様なところはあまりなく、ヒロインの中年女が愛人に対する嫉妬のあまりヒステリックになっていくところがなんだか生々しくて見ているのが辛かった。 「カイロの紫のバラ」、「ギター弾きの恋」でも出てき…

白痴

ドストエフスキー原作、ロシアでの話を札幌に舞台を移して、黒澤明監督が映画化。ちょっと設定に無理があったのか、撮影は難航して監督も途中で撮るのをやめたいと言ったらしい。 だからかどうか分からないが、なんか鬼気迫る映画だった。森雅之の繊細さ、三…

ギター弾きの恋

この映画を見るのは4回目くらい。大好きな映画だが、今回なぜか一番心に響いた。ギターの音色もこの上なく美しく聴こえた。ショーン・ペンがいつもながらにキュートでセクシーで哀しげで、素敵だ。それは分かっていたが、自分が50歳超えて見てみるとさら…

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

原題は「five flats up」。邦題はなんかニュアンスが違う気がするが、この題の通りのストーリーで、ある意味映画に入っていきやすかった。 「セッスク・アンド・ザ・シティ」で皮肉大好きなミランダ役の女優、シンシア・ニクソンが出演していたのと、主演の…